ターゲットに届く!!化粧品のネーミングを考えるための実践ステップ

商品名やブランド名は、消費者に与える第一印象に大きな影響を及ぼし、その印象が購買意欲を左右する重要な要素です。

この記事では、効果的な化粧品のネーミングを実現するための具体的なステップを解説。
商品名やブランド名のネーミングに有効です。
キーワードの抽出から創造的なアレンジ、そして最終的なブラッシュアップまで、実践的な手法をご紹介します。

化粧品のネーミングの重要性

どんな商品にも言えることですが、ネーミングはブランドの印象を左右する重要な要素です。

消費者は商品名を通じて初めてその商品を知り、その第一印象が購入意欲に大きく影響します。
例えば、名前が魅力的で記憶に残るものであれば、消費者はその商品に興味を持ち、試してみたいと感じるかもしれません。
逆に、ネーミングが覚えにくかったり、魅力に欠けていたりすると、優れた商品でも顧客の目に留まらないことがあります。

また、ネーミングはブランドのメッセージや価値観を伝える役割も持っています。
例えば、自然派を強調する化粧品ブランドであれば、「ピュア」や「ナチュラル」といったキーワードを組み込むことで、消費者にそのブランドの個性を効果的にアピールできます。

ブランドの個性を強調することで、市場での差別化を図ることができるのです。

商品名・ブランド名を導きだす実践ステップ

効果的なネーミングは、消費者の心に強く訴えかけることができます。
ここでは、化粧品のネーミングを成功させるための実践的なステップについて解説します。

基本的な流れは、以下の通りです。

  1. 商品情報のキーワードを出す
  2. キーワードをアレンジする
    2-1.組み合わせる
    2-2.他言語に変換する
    2-3.接尾辞をプラスする
    2-4.キーワードから連想する
  3. ネーミング案の確認・ブラッシュアップ
    3-1.ターゲットとの相性
    3-2.競合商品の名前を調査
    3-3.覚えやすさ・使い勝手

1. 商品情報のキーワードを出す

まずは、商品の魅力をキーワードとしてたくさん出してみましょう。
商品の機能や特徴など、あらゆる要素を具体的に表現してください。
そうすることで、消費者に対してどのような価値を提供できるのかが明確になるとともに、ネーミングに必要な要素がそろいます。

具体的には、商品のユニークな特徴や競合商品にはない強みをリストアップし、それを一般消費者にとって理解しやすい言葉に置き換えてください。
また、商品がもたらすベネフィット(感情的な価値や体験)も言語化しましょう。

それでは、顔に塗るだけで泡が発生する「発泡タイプの美肌パック」を例に挙げて、商品の魅力を言語化してみましょう。

商品の特徴キーワードは、形状・配合成分・色・香り・テクスチャー・使い方などから考えてください。
思いつくまま、たくさん出してみましょう。

●商品の特徴キーワード例
大豆発酵液・温泉水・発泡・バブル・泡密度が濃い・白色・もこもこ泡・ジェル・泡パックなど

ベネフィットのキーワードは、商品の効果・感情的な価値・体験(若見え・時短)など、薬機法など規制を気にしすぎず、遊び心を加えながら出してみてください。

●ベネフィットのキーワード例
毛穴すっきり・ぷるぷる肌・美白・毛穴洗浄・輝き・うるおい・透明感・トーンアップ・即実感など

考えすぎないこと

キーワード出しで大切なのは、考えすぎないことです。
最初からターゲットや薬機法などを気にしすぎると、頭でっかちで保守的な思考になってしまい、新鮮でユニークな言葉や雰囲気の良いキーワードが出てこないからです。
思い付き、ひらめき、その場の勢いなども大切にして、気軽にたくさん出しましょう。

2. キーワードをアレンジする

化粧品のネーミングで、キーワードのアレンジは重要なステップです。

まず、ベースとなるキーワードを選びましょう。
選定したキーワードはそのまま使うのではなく、消費者の心に響くようにアレンジする必要があります。

2-1.組み合わせる

言葉遊びやリズムを意識しながら、キーワードを組み合わせてみましょう。

ユニークな響きや視覚的に印象的な名前は、消費者の記憶に残りやすく、ブランドの認知を高める助けとなります。
組み合わせを変えたり、順番を並べ替えたりしながら、商品の魅力や効果が伝わるネーミングになるマッチングを探しましょう。

●キーワード組み合わせ例
白色・美白・泡密度が濃い・パック→白い濃密泡パック
ぷるぷる肌・発泡・パック→ぷる肌発泡パック

2-2.他言語に変換する

組み合わせたネーミングがしっくりこない場合、一部の言語を入れ替えてみると、うまくいくことがあります。

一部の日本語を英語やフランス語、イタリア語にすると、エレガントで高級感のある響きになったり、スタイリッシュな印象を与えたりすることができます。
反対に英語を日本語にすることで、親しみやすさや丁寧な印象につながることもあります。

●他言語に変換する例
[日」おやすみ美容液⇔[日&英]おやすみエッセンス
[英]モイストデイリークリーム⇔[日]保湿日和(ほしつびより)

2-3.接尾辞をプラスする

キーワードをそのまま使うと「ベタすぎる」「ネーミングらしくない」ということはよくあります。
そんな時には、接尾辞を加えてみることで、独特のニュアンスやオリジナリティが生まれることがあります。
接尾辞とは、単語の後ろに付いて、意味や機能をもたらす語です。 

Play + er(接尾語:〜する人) = Player (選手)

●接尾辞をプラスする例
○ uruoi(うるおい)+ism(接尾辞:〜主義)=uruoism
「うるおいにこだわる」「うるおい肌をつらぬく」という強い意志のようなものを感じます。
○ Lift(あげる)+ous(接尾辞:形容詞化)=Liftous
「引き上げるような」と優しくリフトアップしてくれるイメージです。
○ Pure(ピュアな)+logy(接尾辞:〜学)=Purelogy
「ピュア肌学」「ピュアな肌を保つための肌理論」といったカッコ可愛い印象を与えます。

化粧品のネーミングに使えそうな主な接尾辞

接尾辞作られる品詞付加される意味
-able形容詞〜できる
-ence名詞 
-ism名詞〜主義
-ist名詞〜主義者
-less形容詞~ない
-logy名詞〜学
-ness名詞〜な状態
-ous形容詞~のある

2-4.キーワードから連想する

キーワードから連想ゲーム感覚で言葉を変化させていくことで、さらに独自性のあるネーミングを生み出すことができます。

手順としては、

  1. ひとつのキーワードを選ぶ
  2. キーワードから連想する言葉を出す
  3. 2の言葉から連想する言葉を出す
  4. これを繰り返しネーミングの種になる言葉を見つける

という流れです。

●キーワードから連想した例
・肌が潤う→嬉しくなる→お散歩気分→鼻歌が出ちゃう→hanauta
・ふっくら肌→自然に笑顔が出る→ゆとりが出る→おおらか→ohraka
・アンチエイジング→いつまでも若々しい→ながく変わらずに若々しい→永久(とこしえ)に→トコシエ

3. ネーミング案の確認・ブラッシュアップ

ネーミング案がある程度固まったら、ターゲットとの相性や商標登録の確認などをしつつ、ブラッシュアップをしながら、より洗練されたネーミングに仕上げていきましょう。

これらの作業は前のステップのキーワードをアレンジする際に、考慮してもいいかと思います。
ただし、商標登録や薬機法などを過剰に気にしてしまうと、自由な発想がしずらくなりますので注意が必要です。

3-1.ターゲットとの相性

ターゲットとなる消費者のニーズやトレンドに合ったネーミングであることが求められます。
ネーミング案がターゲット層にどのように受け取られるかを検証し、必要に応じて修正を加えます。

3-2.競合商品の商品名を調査

商標登録の確認も欠かせません。
せっかくのネーミングが他の商標と被ってしまっては意味がなくなりますので、早めに確認しておくことが大切です。

3-3.覚えやすさ・使い勝手

デジタル世代にアピールするためには、ソーシャルメディアでの拡散力を意識したネーミングも重要です。
インスタグラムやTikTokでのバイラル効果(拡散)を狙い、短くて覚えやすく、ハッシュタグとしても機能する名前を考案することがポイントです。

これらのステップを踏むことで、化粧品のネーミングは単なる名前以上のものとなり、消費者の心に深く刻まれる可能性も広がります。
綿密な準備と創造的なプロセスを経て、魅力的で効果的なネーミングを生み出しましょう。

まとめ:実践ステップで効果的な化粧品のネーミングを

化粧品のネーミングは、ブランドの第一印象を左右する重要な要素です。
適切なステップを踏むことで、商品自体の魅力を最大限に引き出し、消費者に強く訴求するネーミングが可能です。

1. 商品情報のキーワードを出す

商品の特性、成分、効果、ターゲット層などからキーワードを抽出します。
これらのキーワードは、商品の本質を捉えるための基盤となります。

2.キーワードをアレンジする

抽出したキーワードをもとに、クリエイティブな発想でネーミングをアレンジします。
キーワードを組み合わせたり、他言語に変換したりしながら、ターゲット層に響くネーミングを追求します。
この段階では、自由な発想が重要ですので、様々なバリエーションを試してみましょう。

3. ネーミング案の確認・ブラッシュアップ

最後に、作成したネーミング案を確認し、必要に応じて修正を加えます。
この際、ターゲット層との相性や、商標の確認を行い、法的な問題がないかをしっかりチェックします。

これらの実践ステップを踏み、消費者との強い結びつきを生む商品名やブランド名を考えましょう。
より良い化粧品のネーミングの参考になりましたら幸いです。

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